ベルガモットの香りには
青色の華やかさがある
まるで映画「Somewhere」に出てくるような青色だ
映画にに出てくる人達は
みんなどこか寂しい
ジョニー
仕事もお金も女も不自由してない
だけど いつも寂しい目をしている
物質の量と感情の満たされ感は
イコールじゃないんだ
クレオ
大人の世界でも物怖じしないし
父親の悪癖にも動じない
そんな11歳の少女は
見えない不安に怯えて泣く
日常のなかで気がつかないくらいに
静かにささやかに動く感情は
まるで揺れる水みたいだ
目が覚めるような青い水
クレオのスケートのドレス
Tシャツにタンクトップ
イタリアのパトカー
ホテルのランプ
二人で出掛けたアウトドアショップの看板
手を繋いで昼寝したデッキチェア
白いキッチンのタイルも
開き戸のノブも
もちろん 澄み渡った空も
いちばん好きなのは
二人で潜ったプールの水色
そうだ、 ベルガモットな気分になるのじゃなくて
ベルガモットが欲しくなるんだ
「Somewhere」2010年 / アメリカ
監督:ソフィア・コッポラ
出演:スティーヴン・ドーフ エル・ファニング
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